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2次元感想ブログ

9割エロゲについて思ったことを書く薄っぺらい感想ブログです。

ユートピア 感想(湊かなえ)

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 読み終わったので感想書きますかーー。

 

 

 

ユートピア (集英社文庫)

ユートピア (集英社文庫)

  • 作者:湊 かなえ
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 文庫
 

 

 面白かったです。しかし素直に絶賛出来るほどではなかったというのが正直な感想ですかね。

 僕は湊かなえ先生の「告白」にえらい衝撃を受けて、それ以来湊かなえ先生のファンになったのですが、告白ほどの衝撃は受けませんでした。

 そもそも僕が思う湊かなえ先生の魅力は、淡々と続く展開にぎりぎり致死量に満たない毒を登場人物の会話に振りかけることで生まれる世界観だと思います。普遍的な日常が、それらによって気づかないうちにおかしな方向へと転がっていてしまう、繊細さが積み重なって生まれる歪みが面白いところかなーと、個人的には思っています。あと、湊かなえ先生の作品に登場するキャラクターはどれも歪んでいますよね(笑)

 今作もそんな湊かなえ先生らしい世界観でした。「偽善」がテーマかなと。

 題名のユートピアがまた皮肉が効いてて面白かったですね。まるで、現実に理想郷なんて存在しないと、そう声高に叫んでいるような。

 人それぞれが思い描く理想はどれも違います。十人十色、様々です。だから、皆が納得する理想郷なんて存在しない。どこかですれ違い、摩擦が起きます。

 僕は、湊かなえ先生のそんな愚直に世間を捉えるところが好きです。そもそもきれいごとが僕は嫌いなので。

 

 ただ、僕が今回納得行かなかったのは、最後の展開と種明かしですね。拍子抜けしました。というか、締め方が雑に感じました。金塊などの伏線もいまいちでしたし。そう、湊かなえ先生十八番の、イヤミスが弱かったですね。ミステリーよりも、登場人物の心情変化が先生の武器だと思っているので。

 

 にしても、ユートピアって決して届かないからユートピアなんだろうなって思いましたね。それを手にしようと伸ばすことは愚行なんでしょう。今作を読んで、イカロスの話が脳裏を横切りましたね。蝋で固めた羽で太陽を目指して、結果墜落して堕ちる。