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2次元感想ブログ

9割エロゲについて思ったことを書く薄っぺらい感想ブログです。

親愛なる孤独と苦悩へ 感想

 

 決して夢中になるほど面白い作品だったわけではないけれども、これまでのどの作品よりも今後の人生に影響を与える力強い作品でした。あと、あまり気持ちの良い作品では無いと思います。

 

 

case1

 なるほどぉって思いながら進めてました。心理学については全くの無知だったので、斬新で面白かったです。なによりタメになりました。これから生きていくうえで一つの考え方にはなるなと思いました。

 なぜネガティブな気持ちになるのかその理由を掘り下げるというcase1で行われた手法、ちょうどインターンの準備で自己分析をやっていた自分にとてもタイムリーだと感じました。まあそれはどうでもいいんですが、この台詞はすごく良いなと思いました。

他人のせいにしても現状は何も変わらないですからね。何かを変えるときに自分にできることって結局は己自身なので、自分の中のルール "観念"を変えて上手に適応するのが大切だと。いやホントになるほどなぁとなりました。主人公と立場は違いますけど、すべての人間に通ずる考え方でこれがカウンセリングかと思いました。

 

 そんなcase1での最大の山場、父親とのシーン。僕の場合、このゲーム内での父親に当たるのが母親でしたが、いったい父親はどんな想いで娘達に接していたのだろうととても興味深く思っていました。この作品内での父親を通じて僕が学生時代の頃の母親の考えに少しでも触れることができると結構期待していました。

 僕は父親は否定して欲しくなかったです。父親の教育は良いものだとは思えませんが間違っているとも思えなかったからです。父親のその育て方を後悔して欲しくはなかったのです。最近やったDreamin' Herでは母親はその考えを改めませんでした。僕はそれに賛同しました。今作での父親は素直に賛同は出来ません。間違っているとは思わなかったからです。親として、そこは強く在って欲しかったです。

 

 

case2

 まず格ゲーシーンのBGMがすごく良いですね。演出も素晴らしかったです。最後の決勝戦のシーンは本当に凄かった。

 case2は1と違って、カウンセリングを受けた兄がそれを通じて妹の進路について考えるって構図が良かったです。単純にカウンセリングの内容を復習する意味でも良かったですし、なにより妹を想う兄としてカッコ良かったですしね。

 相変わらずカウンセリングを通して主人公の想いの核を突く展開は上手いと思いました。なぜ格ゲーにこだわるのか、その背景に妹の影があるのは、割と現実的な気もして納得しました。

 

 で、今回は夢の諦め方についてのカウンセリングが特に興味を持ちました。これはなぜ頑張るのか、に置き換えることも可能だと思います。なぜ頑張らないといけないのか、なぜ、なぜ、と掘り下げていくことでその理由が見えて、本当にそれをしないとそれは叶わないのか、他でもそれは叶えることはできないのか、という方向に持っていくことができる。勉強になりました。

 

 

case3

 一番ストーリー性があって読み応えがありました。面白かったです。case1,2はどちらかというと講義的な側面が強かったように感じましたが、case3はそれを踏まえて大半が登場人物の行動にスポットが当たっていたので面白かったです。

 直近でプレイしたキリンの国でも思いましたが、男同士の友情ってやっぱ良いものだと思いました。互いに互いのことを想い合ってるけど、想い方が違うせいでベクトルが真逆になってしまって擦れ違いを起こす関係性はベタだけどやっぱ良きですね。どうでもいいけどヒロアカのデクとかっちゃんを頭に思い浮かべながらプレイしていました。あの2人の関係性とはまた違いますけど。

 ただまあ、最後2人それぞれの想いを吐露するシーンはかなり控えめだった気がするのでもっとエモーションを爆発させて欲しかったなとは思いました。結構あっさり終わったのは寂しかったです。

 

 

case4

 重かったです。まこちゃんの過去描写が本当にきつかったです。多分カコイチできつかったと思います。まこちゃんの心理描写も交えて話が進むのでよりキツく感じました。

 まるでノンフィクションみたく進むので真に迫るものがありました。親子関係・学校生活・すれ違い。生前のまこちゃんに救いは無かったように思います。結局自殺をしなかったところで29歳で死ぬことが確定してるってところもそれに拍車をかけていたように感じました。

 僕はプレイ中、まこちゃんの行動にいまいち理解を示せなかったです。どちらかというと兄と似た立場でした。どうしてまこちゃんはもっと態度で示さないんだ、もっと兄に頼っても良かったのではないか。そう思ってばかりでした。しかしそう思えて良かったです。不謹慎ですけど、僕はまこちゃんみたくはならないだろうなという証明になる気がしますからね。だからこそ、まこちゃんを理解できる人にとってcase4はどうしようもなくしんどい物語なのではないかと思いました。

 

 

こういうことは学校とかでよく学びますけど、ほんとうに無意味なことなんだなと思いました。否定するのではなく受け入れること。それこそこれまで散々出てきた観念という考え方が大切なんですね。最後、市郷さんは観念の考え方にどちらかというとネガティブな意見を示していたけど、やっぱ僕はそうは思えなかったなぁ。

 

 これまでボイス無しだった作品が、最後のシーン、歌という形でボイスが入る演出はとても熱かったです。

 

 最後、タイトルですけど。親愛なる孤独と苦悩へって、まこちゃんは孤独と苦悩に親しみを感じているんですよね。まこちゃんは生前、孤独と苦悩ばかりだったけど、そのおかげで200人余りの人をカウンセリングを通して救うことができた。だとしても、やっぱり切なすぎると思いました。これってまこちゃんが自殺したことをある意味認めているようなものだと感じたからです。自殺したほうが良かった人も少なからずいるってこと? このタイトルが、マイナス方向にすごくポジティブで嫌ですね、やはり。

 

 

プレイ時間:15時間54分