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2次元感想ブログ

9割エロゲについて思ったことを書く薄っぺらい感想ブログです。

不香の花 感想

 本当に面白かったです(小並感)。

 

 キャラクター全員を魅力的に描くことは簡単そうで意外と難しいと思います。心太さん(ライターさん)はキャラクターを魅力的にイキイキと描くのが上手だなぁと前作から感じていましたが、キャラクターが増えた本作でもその腕は衰えるどころかむしろ増しているなぁと思いました。本作ではよそ者(都会)に閉鎖的である田舎が舞台ですが、そんなとげとげしつつもどこか憎めない、田舎人の心の底にある人を思いやる温かさが絶妙に表現されていました。血の通ったキャラクター達が織りなす物語が本当に美しかったです。

 

 そんな村の人々たちが作り出す田舎の雰囲気は冷たくもどこか温かさを残しているのですが、そんな世界を彩る2人の女の子がまた非常に魅力的でとても良かったです。

 塩味ひとみちゃんの存在は本作にリアリティを出すために必要な唯一無二のキャラクターであると途中までは思っていました。田舎に嫌気して都会を夢見る女の子は絶対に存在するはずです。ひとみちゃんはその役を担っていました。田舎だけを美化するような作品では僕はここまで本作を好きになっていません。好きも嫌いも綺麗も汚いもありのままを魅せた点が本作を非常に好きになった理由の一つです。

 そして山田風花ちゃん。彼女は本当に本当に可愛くて可愛くて仕方がなかったのですが、物語の終盤で彼女の強さも見ることができたのが本当に良かった。彼女が鉄道再建のために都会の大学へ行くという選択が、その場にとどまるだけでは改善されない田舎の限界といったどうしようもないリアリティや、彼女の意思の強さ、覚悟を表していました。ベタですけど、田舎で暮らすことを決めた主人公と都会へ進学することを決めた彼女、しかし彼女はいずれ必ず帰ってくる、そんな2人の間にある線路は一つに繋がっており……。鉄道での別離のシーンはエモでしたね。エモぉ……。最後のシーンはエモが詰まりすぎてて思わずうるっときました。帽子をかぶせるシーンとか好きすぎ。

 

 

 僕自身も就活が終わり来年から社会人になります。今年は長い人生の中でやっと将来が決まった節目の年なので、主人公の立場に自分を置き換えてみたり将来が決まっている田舎の子と比較してみようと思いましたが、文章が臭くなりすぎそうなので辞めました。ただ、やっぱり田舎の子たちは自由じゃないよなーと思いました。彼らはやるべきことがない都会生まれの主人公をやじっていましたが、彼らのそれはやりたいことじゃなくてやらなければいけないことで、それは己の心の内から本当に出てきたものなのかって思いましたね。都会生まれの主人公も自由じゃないし、かといって田舎の子たちも自由じゃないですよね。そんなことをキャラ設定画の寺田兄弟の説明にある”エレキギターをこっそり練習している”って記述を見て思いました。