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2次元感想ブログ

9割エロゲについて思ったことを書く薄っぺらい感想ブログです。

Child of Doppelgänger -Prequel- 感想

 

 なんといってもその筆力に圧倒されました。読ませる文体ってそれだけで面白いと感じてしまいます。文節の節々が力強く、とても魅力的に思いました。

 

 

 プレイヤーの視点は本作で述べられてる神様のようだと思いました。少なくとも僕はそう感じましたが、それは本作の語り手が女性だからかもしれません。あまり共感できない、理解は出来るけど自分の人生には当てはまらないので画面の向こうの世界のように感じてしまうからかもしれません。とにかくそんなわけで、僕は語り手である理香子さんが本作でいうところの運命に翻弄されてる様をメタ視点で眺めているように感じました。

 しかし一方で、本作の製作者の思想がそのままダイレクトに伝わり、物語ではなくある種哲学書のようにも感じました。これは登場人物のほとんどが似た性格を持っているため、彼らの後ろにいる製作者の考えが透けて見えたからだと思います。ここの差別化を図る事でさらに物語性が生まれるのでは無いかなと思いました。実際中盤までは彼らを通した作者の思想の垂れ流しのように感じ、物語が動き出すのは終盤でした。それでも飽きずに読み続けることができたのは、流石の筆力だと思いましたが。

 

 読了後に謎の不快感がありました。

 最後理香子はくるみを殺してしまいました。僕はこの選択でなんとなく理香子の運命が変わるように感じました。これまでの鬱々とした人生から自由になり、彼女の第二の人生が始まるかのような。しかし彼女のその選択も神様は予言していて、結局は袋小路なんですよね。

 神様の存在を否定しつつも縋ろうとする彼女はどうしても弱いと感じてしまいます。弱いと感じるのは彼女が既に諦観していて何も変えようとしないからです。そんな彼女が最後自らの手で自分を変えようとしますが、それすらも神様は見越しており、おそらく彼女も最後は死んでしまう(自殺?)のが胸に引っかかりました。結局彼女はこの世界に生まれ落ちて一つでも良かったなと思えることがあったのか、それとも最後まで神様に怨嗟を吐いて死んでいったのか。彼女のその後がとても気になりました。続編、とても期待しています。